コーヒー好きであれば、「東ティモールコーヒー」の名を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
現在では「100%有機栽培」のコーヒーということで、コーヒー初めての方からコアなファンまで、多くの人気を集める東ティモール。
スターバックスが「もっとも希少で類いまれな個性を持つコーヒー」を集めたブランド、スターバックス リザーブ®でも取り扱うようになってから、知る人ぞ知るコーヒーの名産地になりました。

東ティモールコーヒーの魅力的な味や、栽培過程を知ったら、より美味しいコーヒーを楽しめるかも?
そこで今回は、そんな東ティモールコーヒーの味の特徴や栽培過程について、詳しくご紹介します。
東ティモールコーヒーの歴史
東ティモールとコーヒーの初めての出会いは、1815年頃。
ポルトガル総督により、アラビカ種のコーヒー苗が持ち込まれ、植林されたのが始まりとされています。
16世紀にポルトガルによって植民地化されたティモール島は、その後オランダの侵攻によって、「東ティモール」と「西ティモール」に分けられました。

東ティモールは1975年に独立宣言をするも、インドネシア軍が武力侵攻を開始。国民の4人に一人が命を落とすという残忍な爪痕を残しました。国連軍の介入により、2002年には独立回復しています。
ポルトガルによって開拓されたコーヒー農園は、インドネシア侵攻後は全く整備されておらず、手付かずの状態でした。
加えて農薬や化学肥料にかける資金が乏しかったため、自然と無農薬栽培の体制が築き上げられ、今の完全有機コーヒーが実現しています。


東ティモールコーヒーの味の特徴は?
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東ティモール珈琲は、爽やかな酸味が特徴です。しっかりとした苦味・甘みの中に、リンゴのような甘酸っぱさがあります。
さっぱりとした飲み口なので、「ブラックコーヒーが苦手・・・」という方にとってもチャレンジしやすいかもしれません。
▼アイスコーヒーがお好きな方
東ティモールコーヒーは、コールドブリューにしても美味しくオススメです。酸味が活かされ、少しフルーティな味わいになります。コーヒー特有の苦味が消えますので、ジュース感覚でゴクゴク飲めてしまうかも?
▼ホットコーヒーがお好きな方
ブラックそのままでも良いですが、お砂糖や牛乳の代わりに練乳を入れて飲む、東ティモール現地ならではの「kopi susu(コピ スス)」方式をお試しください!しつこくないベトナムコーヒーのような感じで、意外とあっさり、でもしっかりと甘く、絶妙なバランスを味わえると思います。
東ティモールコーヒーが栽培されている環境
コーヒー豆が栽培できるエリアは、赤道付近のコーヒーベルトというエリア内に限られています。
東南アジアの一部の国々もそのエリアに入っており、東ティモールも有名なコーヒー豆の産地として知られています。

©︎AGFより筆者編集
東ティモールは、国土の6割以上が山岳地帯です。
国全体としては熱帯気候ですが、山岳地帯では、日中の強い日差しに比べ朝晩は冷え込みます。そのため、昼と夜の温度差を活かして、実の引き締まったコーヒー豆を栽培することができるのです。また年間降水量も2000mm以上あり、まさにコーヒー豆を栽培するのに適した環境が整っていると言えます。
標高の高いエリアではアラビカ種、低いエリアではロブスタ種が栽培されており、アラビカ種とロブスタ種のハイブリッドのコーヒー豆も開発されているそうです。
今ではアメリカ合衆国、ドイツ、カナダ、ベルギー、そして日本などにコーヒー豆を輸出しています。東ティモールは、国民の1/4がコーヒー生産に従事している農業国なので、これからのコーヒー産業にも期待大ですね!


東ティモールコーヒーの栽培工程
コーヒーの生産は、一つ一つ丁寧な作業の積み重ねです。エルメラ県レテフォホをはじめとする生産地では、以下のような工程で栽培が行われています。
(※国や団体によって詳細は異なりますので、あくまでも一例です。)
1)摘み取り~コーヒーチェリーの選別
完熟豆の選別。
完全に手作業で行われています。
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2)ウエットミル
コーヒーチェリーの果肉を除去(パルピング)し、パーチメントの状態にします。
パーチメントとは、コーヒーチェリーの果肉を取り除いたもの。パリパリした殻がついている生豆のことです。
3)ミューシレージの除去
パーチメント(生豆)の表面についているミューシレージを取り除くために、豆を発酵させ、水洗いをします。

ミューシレージとは、パーチメント(生豆)の表面についている、粘液質のネバネバしたジャムのようなものです。
東ティモールでは「ウォッシュド加工」(ミューシレージを取った後に乾燥させる方法)が一般的だそう。
※ミューシレージ付けたまま乾燥させる方法は「パルプドナチュラル」と呼ばれています。
4)パーチメントの天日乾燥
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キレイさっぱりになったパーチメントを、お日さまの下で乾燥させます。
カビなどの発生を防ぐため、水分含量10〜12%が目安とされています。
5)ドライミル
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乾燥後のパーティメントを脱穀、サイズ選別などを行い、生豆(グリーンビーンズ)の状態にします。
6)袋詰め・保管・輸送
天日乾燥させた麻袋に袋詰めし、コンテナ船などで各国に届けられます。
東ティモールコーヒーを飲んでみよう!

©︎Fukutaro Yoshida
東ティモールコーヒーは、多くのNPOやNGOの支援によって、フェアトレードで製造・販売がされています。一つひとつ、丁寧な過程を経て大切に育てられていることに想いを馳せると、いつものコーヒーをより深く味わえそうですね。
品質管理も徹底され、パッケージもしっかりしているので、自分用へのギフトや、大切な人へのお土産にもいかがでしょうか?
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東ティモールコーヒーをもっと知るために
最後に、スペシャルビデオ|Life with Coffee, Timor-Lesteをご紹介します。
東ティモール在住のビデオグラファー・石田裕一さんの作品です。
レテフォホのコーヒー農園の暮らしが、美しく丁寧に紡がれています。
▼当日のレポートはこちらから

東ティモールコーヒー、ぜひ一度、その魅力的な味わいに浸ってみてください!
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