
コックファイティング(cock-fighting)とは、「しゃも」と呼ばれるニワトリ同士を戦わせる「闘鶏」のこと。
フィリピンやタイなどの東南アジア諸国と同じように、東ティモールにも、闘鶏のギャンブル文化があるのをご存知でしょうか。

今回は、首都ディリから車で5時間ほど離れたところにある、バウカウ県ベニラレ群で見ることができました。
村を歩いていると、その一角に、なにやら人だかりが…。
みんなで何かを覗き込んでいるようです。

ちょっと、近づいてみましょう。

りーせんさー!
(「すみませーん!」)

そうしたら、偶然にも、ちょうど闘鶏が始まるタイミングでした!
丸い木柵の中で、2羽の軍鶏が威嚇しあっています。
よく見ると、それぞれの左足に、小さな刃物が巻かれていました。それで相手を攻撃するみたいです。時折、鶏のオーナーがチャチャを入れて、鶏たちの士気を高めます。
ベニラレにいたティモール人おじいちゃんに伺ったのですが、東ティモールのコックファイティングは、「どちらかの鶏の死」をもって決着となるそうです。
飼い主同士だけでなく、興味のある傍観者も、勝ちそうな鶏にお金を賭けています。
負けた鶏は、そのままチキンとなって晩餐に。賭けられていたお金は、勝った鶏のオーナーにいく仕組みです。
ちなみに飼い主は、100ドルくらいを賭けていました。
東ティモールの最低賃金が$115/ 月なんて話も聞いたことがありますから、彼らにとっては決して安いお金ではないはずです。
それでは、決着の瞬間を、動画で見てみましょう!
一撃で決着がついたようですね!
念のため、写真でも追ってみたいと思います。
2羽の選手が威嚇し合います。

そして…一撃!!
これは、どっちだ?!

下から足つきをしたと見られる白い鶏が走って逃げます!

そして…黒い鶏はバランスを崩して倒れてしまいました。
オーナーがやってきて、すぐさま立たせます。
「負け」になっちゃうからね。 でもヨレヨレで辛そうだわ…。
そうして、誰もが白の「勝ち」を確信した、その時….

?!?!

えー!!!
元気そうにしていた白鶏が、バタリと倒れてしまった!!
判定、黒の勝ち!死闘なのに、案外、すぐ決着がついてしまった。

すばらくすると、白い鶏さんはピクリとも動かなくなってしまいました。
鶏の死に顔って、思えばマジマジと見つめたことがなかったので、なんだか新鮮でした…。安らかに眠れますように。

死んでしまった方の鶏は、策にくくりつけられて、1つの試合が終了。
集まっていた男性たちが、勝敗で動いたお金のやりとりをします。
これを、毎日、何クールも繰り返すそうな。
後々調べたところによると、他にも闘鶏文化のあるタイやベトナム、フィリピンなどでは、ものすごい量のサプリや栄養管理をもって、手塩にかけて(そして大金も叩いて)「しゃも」を育て上げるようです。
にも関わらず、死した鶏をそのまま放置して腐らせたり、半死状態で餓死させたりと、オーナーとしての品格が疑われるような行為も相次いでいるとか。
東ティモールでは、美味しくいただかれていると信じたいものです。
▼バウカウ県ベニラレの場所はこちら
▼首都ディリからバウカウ県までの行き方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください!

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