東ティモール渡航で必ずしなければならないのが、入国手続きです。
慣れてしまえば難しいことはありませんが、初めて訪れる国では、不安になることもありますよね。
また入国までのステップを事前に知っておけば、思わぬ無駄も減らせるかもしれません。
そこで今回は、東ティモールの玄関口「プレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港」での入国方法と注意点について、ご紹介します。
プレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港とは
「プレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港」は、東ティモール唯一の国際空港です。
旧名「コモロ国際空港」と呼ばれています。
1975年の東ティモール独立宣言時の首相、ニコラウ・ロバート(フレティリンの最高指導者、1978年末にインドネシア国軍によって射殺)の名を冠し、独立後に現在の名称に改称されました。
空港到着前に「携帯品・別送品申告書」を記入しておこう
プレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港に到着すると、テトゥン語(東ティモールの公用語)と英語で、到着時刻や天候がアナウンスされます。
旅客機内で、上記写真の「入国時の携帯品・別送品申告書(Custom Declaration Form)」が配布されますので、降機前に記入しておきましょう。
東ティモールの空港では、ビザ購入や入国審査で長蛇の列ができることが珍しくありません。申告書を記入するためのカウンターに辿りつくために時間を要してしまうのと、筆記用具の設置がないためです。
事前に記入を済ませておくことで、後々手間取らず、スムーズに入国手続きに進めます。
▼以下の記事では、東ティモールへの行き方をご紹介しています。そもそも東ティモールにどうやって行くの?という方は、ぜひ合わせてご覧ください。

ニコラウ・ロバート国際空港での東ティモール入国手続き
飛行機の着席サインが消えたら、いよいよ降機です。
東ティモールは聞きなれない国名ではありますが、一般的な入国の流れ(飛行機到着 ⇒ 入国審査 ⇒ 荷物の受取 ⇒ 税関 ⇒ 入国)は、他の国と変わりません。
ここからは、入国するまでのステップを1つずつ見ていきましょう。
1. 降機したら徒歩で空港館内へ
便数の少ないプレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港には、2020年現在、ターミナルビルがありません。
そのため旅客機を降りたら、ボーディング・ブリッジではなく、地上を歩いて空港の館内へ向かいます。
“Presidente Nicolau Lobato”(プレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港)の文字が書かれた看板がお出迎えしてくれます。
2. ブーゲンビリアの美しい廊下を進む
そのまま、廊下をまっすぐ進みましょう。
ブーゲンビリアなどの草木が生い茂り、南国の雰囲気がいっぱいに広がっています。
大きく深呼吸すれば、東ティモールの自然の恵みを感じられるはずです。
3. ビザの購入
東ティモールに滞在するには、目的別に以下の通り、入国ビザが必要です。
・トランジット:20ドル
・学生ビザ:40ドル
・就労ビザ:50ドル
廊下の突き当たりにあるカウンターで、必要なビザの種類を伝えましょう。パスポートを見せれば、簡単に手に入れることができます。
なお、空港には両替所がありません。カード支払いもできませんので、東ティモールに飛ぶ前に必ず米ドルを準備しておきましょう!

東ティモールの観光ビザ
4. 入国審査場へ
ビザを入手したら、右手にある入国審査カウンター(Immigration Control)に進みましょう。
一番右側が「外国人レーン」となっていますが、入国人数がそこまで多くなかったので、「どこに並んでも良い」と言われました。
ここで必要になるのが、入国カードです。
カウンター裏あるデスクで、手に入れることができます。

入国カード(表)

入国カード(裏)
デスクに筆記用具(鉛筆やボールペンなど)は一切ありませんでしたので、ご自身で1本は持ち歩くことをオススメします。
カウンターでは、「何日滞在するの?」とだけ質問されました。
「〇〇 days(〇〇日です)」と返答すると、パスポートに貼られたビザの空白部分に、その日数を記載してくれます。
30日以内であれば法的に問題ありませんので、正直な滞在日数を伝えましょう。
5. 預入荷物の受け取り
入国審査カウンターを抜けると、預け入れ荷物の受け取り場所に出ます。
私の荷物は、ビザ購入やイミグレ手続きをしている間にベルトから降ろされ、部屋の隅に追いやられていました。
こちらのベルトは小回りが効いて遠心力が強いので、よくダンボールやバックパックが落下することが笑いのネタになっています(笑)
隅っこの免税店では、ウイスキーとワインが売られていました。
酒類はディリ市内のスーパーでも買えるので、ここで焦って購入しなくても大丈夫です。
6. 税関へ
自分の荷物を受け取ったら、次は関税です。
荷物受け取り場のすぐ裏から、列に並びましょう。
ここでは、荷物の預け入れをする際に貼られるバーコードの印字されたタグと、パスポートに貼られる予備用のシールを照らし合わせて、間違えて他の人の荷物を取っていないかチェックされます。
無事に空港を出られるまでは、スタッフに貼られたシールなどを、自分ではがさない方が良いかもしれません。
荷物のスキャンを終えると、さらなる荷物チェックカウンターに通されます。
スーツケースでの入国には、必ず審査が必要だそうです。
スーツケースを開けるように言われ、調査開始。
担当してくれた女性警官に「中国人?日本人?」と聞かれたので「日本人です」と返すと、「あ〜じゃあ、いいわよ行って」という感じで速攻終了して、拍子抜けしました。
後々、東ティモール滞在の日本人の方にお話を伺ったのですが、どうやら多くの中国人ドラッグバイヤーが観光ビザで流れ込んでいるらしく、政府はその検挙を強化しているのではないか、とのことでした。
空港を出たらディリ市内へ
空港から市内へは、タクシーもしくはミクロレットで行くことができます。
▼タクシーで行く場合
空港を出た所に、赤い服をきたお兄さんたちがいますので、行き先を伝え、価格交渉して乗りましょう。
東ティモールには明確な住所がありませんので、滞在先の名前か、通りの名前を言えばOKです。
ディリ市内までの運賃の相場は、おおよそ10ドルです。
▼ミクロレットで行く場合
スーツケースなど大型の荷物がない場合は、市民の足であるミクロレットを利用するのも良いでしょう。
空港から市内は、「10番」のミクロレットが往復しています。
時刻表はありませんが、ミクロレットは頻繁に来ますので心配無用です。車体が近づいて来たら、手を挙げれば止まってくれます。
運賃は一律25センダボ(東ティモールの独自通貨で、25セントと同義)です。
▼プレジデンテ・ニコラウ・ロバト空港の出発/ 到着エリア
詳しくは、下記の記事でご紹介しています。
是非、合わせてご覧ください。

空港で「ルーター」や「SIMカード」は買えない
空港横には、東ティモール人の多くが使う通信キャリア「Timor Telekom」と「Telekomcel」のカウンターがあります。
ここでSIMカードでも買おうかな、と思いきや、なんと店はもぬけの殻!
側で団欒していた女の子たちに、いつショップが開くのか尋ねてみたところ、「この店にはもうずっと人が立ったことないわよ」とのこと。
空港でネット環境を整えるのは諦めて、まずは宿泊先に移動してしまうのをおすすめします。
東ティモールのネット事情については、以下の記事を参考にしてください。

まとめ
以上、東ティモールのプレジデンテ・ニコラウ・ロバート国際空港での入国方法と注意点でした。
入国の仕方はわかったけど、また準備が済んでいない!という方は、持ち物チェックのために、以下の記事も参考にしてくださいね。

なお同空港は、日本政府が約4.9億円の拡張支援を表明しています。今後どのように生まれ変わるのか、楽しみです。

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