今回は、私が東ティモールで驚いた話を一つ皆さんにシェアしたいと思います!
数年前、東ティモールでボランティアをしていた私は、
その活動のため、オエクシ県オエシロ郡の中心地に一ヶ月滞在していました。
そこでは、同僚と一緒に、高校の寮の一角に宿泊させてもらっていました。
学生達は珍しい外国人の私に興味津々で話しかけてくれて、一緒に料理をしたり、
オエクシ県の言語・バイケノ語を教えてもらったり、とても仲良くなりました。
そんなある日、寮生の学生達5名ほどが「休日に自宅に帰るから一緒に村に遊びに来ない?」と誘ってくれました。
喜んでついて行った私は、学生達と一緒に村まで、山を越え、川を越え、道無き道を3時間歩きました。
村に着くと、学生達の家を全部訪問し、そのうちの一人の男子学生のお家にも行きました。
彼の家はオエクシの伝統的な家屋で、円錐形の草ぶき屋根に、壁は土と石を円形に積み上げてあり、質素だけど素敵な家でした。
お家の方達とお喋りをしていたら、男子学生のお母さんが神妙な面持ちで私に質問してきました。
「うちの息子と結婚して、うちに嫁に来てくれない?」
私はその時23歳で、高校生と恋愛とか、まして結婚なんて微塵も頭に無かったのです。当たり前ですけど。
そして、その男子学生本人もその場にいて、神妙な顔で黙って座っているのです。
『えーーー!何この状況!?え、この子私のこと好きなの??それともお母さんが暴走してるの???』
と思いながら、恐らく鳩が豆鉄砲を食らった顔をしている私にお母さんがまた話し始めました。
お母さん「牛を何頭用意したら嫁に来てくれる?」
(※東ティモールでは一部を除き、婚姻の際に男性側が女性側に牛を贈る習慣があります)
私「お母さん、ごめんなさい…」(なるべく失礼がないように断ろうと考えまくってる)
お母さん「親戚中に頼んで牛を集めるから」
私「いえ、日本人にはそういう習慣は無くて、牛は必要ないんです。
でも…外国人と結婚するとなると大変ですよ。毎年、日本の家族に会いに行くから飛行機代もかかりますし…」
お母さん「いくらぐらい?」
私「飛行機にもよりますが、往復2000ドルくらい…」(LCCがまだない時代。高めに言った)
お母さん「そう…….それなら難しいわね。」
そう言って、お母さんは残念そうにしながらも話題を変えてくれたので、ホッとしました。
今でも、あの時何と言って断るのが正しかったのか分かりませんが、
本当に驚いた事だったので、未だによく覚えている出来事です。
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